サービス残業とワークシェアリング

サービス残業とワークシェアリング
現在の日本において企業が非正規労働者に能力開発を行う割合は正規社員に比べて少ないという現実がある。厚生労働省の発表している能力開発基本調査によると計画的な教育訓練をしている割合が非正規社員は正社員の半分であり、入職時の割合も正社員の半分である。要するに非正規労働者は単純労働言い換えれば誰でもできるような労働内容しかないので教育訓練の割合がひくくなってしまうのである。ということなので非正規でいくら働いてもスキルが身につくこともない。そうなれば正規社員の中途採用というスキルがあるベテランを募集する採用にも応募しても採用されないという状況につながってしまうのである。だからこそ非正規労働者の視点で見た場合、いずれは非正規から正規雇用に転換できる雇用システムを構築することが社会全体に求められているのである。現状は一握りの正社員、大量の非正規雇用者というふうに労働環境はなっており、単純かつ低賃金かつ非正規労働者がいなければ企業は収益をあげられないという仕組みになっている。
このような労働環境をどう変革していくのか?について述べていきたいと思う。いまの日本では正規労働者は長時間労働をさせて、雇用者の数を減らし非正規の労働者が正規の労働者になる機会を奪っているといるといっても過言ではない。その状況を改善するのは正規雇用者の労働時間を非正規雇用者にまわして非正規雇用者を正規雇用として雇用することによって改善される。いうなれば労働時間を減らすことで仕事を分かちあうことのできるワークシェアリングである。現在の日本のブラック企業の根絶つまりサービス残業の根絶こそが新たなる正規雇用を生み出す鍵になっているのである。労働経済白書の総務省の労働力調査と毎勤統計によると2011年は194時間分の賃金が労働者に支払われていないというサービス残業だったのである。このサービス残業の時間を失業者を正社員に、非正規雇用を正社員にするために回すことによりより日本の雇用者増大、格差是正につながっていくのである。サービス残業を正規雇用者にさせ利益を増大させようとする企業経営者の利益優先主義が非正規雇用者の増大につながり、非正規雇用者のスキルアップの機会をうばったといっても過言ではない。結局すべての元凶は非正規雇用、正規雇用と分別することにあるのである。正規雇用者が残業すればするほど雇用者が減り、非正規雇用も増大する。つまり、ワークシェアリングをしっかり実行し正規雇用の労働時間をしっかり非正規雇用者や失業者に回せば非正規雇用者の根絶にもつながり、全員が正規雇用者という状態にすることができる。つまり全員が正規雇用者になればすべてが同じ雇用形態なので正規雇用、非正規雇用と分別する必要もなくなるのである。そしてワークシェアリングをすることで残業0、過労死0という労働環境が実現でき、一人あたりの労働時間も減らすことができるのである。ワークシェアリングを実現するには国家自体が派遣労働者法を廃止しサービス残業と普通の残業を禁止する法律を作るしかないのである。そして一部の正社員の給料を高くして非正規の給料が低いというのも雇用形態を正規か非正規で分けるということの弊害である。そして、社員に残業をさせればさせるほど雇用機会の損失につながっているといっても過言ではないのである。
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